唯くん、大丈夫?
「…別にいらねーだろ。」
声、ひっく。
そんな低い声でるの?唯くん。
「…あ…いや、でも……私、すっごく申し訳ないことしちゃったから…」
「カルメ焼」
「え?」
「カルメ焼」
「カ…?」
「カルメ焼」
「か、カルメ焼って…理科の実験とかでやる、お砂糖で作るカルメ焼?」
「そう」
唯くんは無表情で前を見ている。
「あ……あー…参考に、するね…?」
なぜ?
なぜにカルメ焼?
唯くんやっぱり怒ってるの?
にしてもなぜ、カルメ焼?
「…えーと…あ、そうだ!もうすぐ学年末テストだね!勉強全然できてないからヤバいなぁーあはは」
「…」
しばらくの沈黙の後、
唯くんがふぁ〜と大きな口を開けてあくびした。
…
「唯くん、眠い?」
「別に」
「じゃあ私の話、つまんない?」
「別に」
「…」
やっぱり、怒ってらっしゃる…?