今日から君の専属マネージャー
私は涼ちゃんからはぎ取ったタオルケットを、もう一度涼ちゃんにそっとかぶせた。
そしてその上から、涼ちゃんの背中にそっと触れた。
そうしたくてたまらなかった。
愛おしさが、湧き出したように。
私の手が触れると、涼ちゃんは体をピクリと動かした。
その背中に、私は声をかけた。
「涼ちゃん、ごめんね」
「だから、謝らなくていいって」
「あ、うん。ごめん。あっ……」
私は一人で一体何をしているんだろう。
まるでピエロだ。
そんな自分にまた落ち込んでいると、背中に置いた指先に、かすかな振動が伝わる。
次第に、タオルケットから「くくくく」と笑い声が漏れ出す。
「涼ちゃん?」
「ほんと美鈴は…………おもしろいな」
そう言いながら、涼ちゃんは布団から顔を出した。
あの一瞬の間は何だったんだろう。
まあいいや。
気のせいだ。