今日から君の専属マネージャー

キッチンに倒れこんだお母さんを、3人でソファまで運び込んで寝かせた。

それから二人はキッチンのダイニングテーブルに座り、私がお茶を出した。

吉田さんはともかく、楓君にこの庶民の家は似合わなかった。

楓君は一応変装したつもりで来たのだろうけど、そのピンクの髪はあまりにも目立ちすぎている。

そして楓君が醸し出すオーラは、この庶民の家のあらゆる隙間からはみ出しそうだった。

楓君は興味津々で家の中をぐるりと見まわしている。

吉田さんはあっという間にイケメンから元の姿に戻っていた。

眼鏡だけが、新品になっている。

松葉杖もなく、だけどまだ歩く姿はぎこちなかった。


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