今日から君の専属マネージャー


「私、モデルの仕事、やってみたいって思ったの。

 モデル、楽しかった。もっとやってみたいって思った。

 私、勉強できないし、体力ないし、女子力もないし、自己管理能力もなくて、何やってもダメダメだけど、あの日モデルの仕事して、「かわいいね」って褒められて、鏡の前の自分見て、撮ってもらった写真見て、こんなに変われるんだって、ちょっとだけ自信が持てた。

 見た目が変わったぐらいで自信が持てたなんて、単純だと思うかもしれないけど。

 だけど、モデルの仕事が私に自信をくれたのは、事実だよ。

 こんな私でも変われるんだって。

 できることがあるんだって。

 人の役に立てるんだって。

 ほめてもらえるんだって。

 そうやってもっと自信をつけて、それで……」 


私は涼ちゃんの目をしっかりと見て言った。


「いつか、涼ちゃんと一緒に、モデルの仕事がしたいって思った」


そう言った瞬間、涼ちゃんの目がぱっと開いた。


「涼ちゃんの隣で、堂々と並んでいたいと思った。

 たくさんの人と、涼ちゃんと、ひとつの作品を作りたいって思った。

 代理なんかじゃなくて、ちゃんとした、モデルとして。

 涼ちゃんのおかげで見つけた、私の夢」


涼ちゃんは顔をふっと緩めて、穏やかな表情になった。

そして、その表情のまま、私に言った。


「じゃあ今から、その夢、叶えに行こうか」



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