今日から君の専属マネージャー


「なんで戻ってきたの?」

「……え?」


 私はほんの少しだけ頭を上げて、声のした方を確認した。


__今、私に聞いたよね?


 心の中でそう確認してから、私は正面に向き直った。

そして、言葉を探す。


「えっと……、は、羽瀬君の仕事、まだ、ちゃんと見てなかったから」

「は?」


 ねめつけるような低い声にびくびくしながら、震える声で続けた。


「今日の羽瀬君の仕事、ちゃんと見て、最後まで見届けて、今日の頑張りを、ほめてあげたいと思ったから。

一人で、よく頑張ったねって。

偉いねって。

私、マネージャーだから。

それが、私の仕事だから。

って言っても、今日は遅刻して、ほとんど見れてないんだけど。

だからせめて最後ぐらいは、ちゃんと見ておきたくて」


 サングラス越しに睨まれているのが、むき出しになった肌でビリビリと感じる。

「言うんじゃなかった」と、後悔とを背負って体をもじもじさせていると、


「じゃあ、ほめてよ」


 前方からの声に、私はハッと顔を上げた。

「え?」

「仕事なんだろ? だったらほめろよ」

「あ、はい……」


私は心臓をどきどきさせながら、涼ちゃんの方に歩みを一歩一歩進めた。


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