今日から君の専属マネージャー
報告書4.提案
涼ちゃんが昨日、どこで寝たかという問題について。
なんてことはない。
リビングのソファの上だ。
涼ちゃんは夕飯を食べた後、すぐに眠りについた。
よっぽど疲れていたのだろう。
この歳で11時前の就寝ってかなり早い。
私も長く感じた一日を終えてかなり疲れていたので、すぐに眠れると思った。
しかしそうでもなかった。
涼ちゃんがこの家の中にいる。
しかも薄い壁一枚挟んで向こう側にいる。
そう思うと、ドキドキして眠れなかった。
別に私はファンでも何でもないのに。
だったらお母さんは、今どんな気持ちで布団に入っているのだろう。
今日の失敗もあって、明日に備え今夜は早めに寝ておきたいのに、眠ろうとすればするほど頭が冴えてくる。
涼ちゃんの匂いや感触を思い出す。
そうなると、脳が興奮し始めてさらに眠れない。
__そうだ、明日のことを考えよう。
そこまで考えて、明日のスケジュールを全く把握していないことに気づいた。
それに不安を覚え始め、私はぱっと電気をつけて吉田さんのスケジュール帖を開いた。
明日もびっしり仕事が詰まっている。
こなせるか不安になる。
涼ちゃんと打ち合わせしておきたいけど、起こすわけにもいかない。
__自分でできることをやっておこう。
布団から勢いよく起きだして、吉田さんから預かった紙袋二つ分から資料のファイルを取り出した。
そして不安を一つずつ消していくように、私は明日の予定をシミュレーションしていった。