今日から君の専属マネージャー
報告書5.実践
かくして私たちの同居生活はなんの障害もなく始まった。
翌日、涼ちゃんは早速少量の荷物をもって我が家にやってきた。
そして両親にも家にも、快く受け入れられた。
ただ、お見舞いがてら入院中の吉田さんに同棲報告をすると、かなり渋い顔をされた。
「それはいい考えだと思うけどね。
実際僕と涼也だって一緒に暮らして今の生活が成り立っているし、やりやすいのは間違いない。
だけど、一般家庭のお嬢さんと同棲っていうのはねえ。
いくら代理のマネージャーとはいえ、リスクが高いなあ」
「リスクって、何ですか?」
「……週刊誌」
涼ちゃんは私の隣でぽつりと言った。
「一緒に暮らすのはいいけど、それだけは気を付けてよ」
吉田さんの苦々しげな表情と声に、涼ちゃんはただ小さく「はい」とだけ返事をした。