今日から君の専属マネージャー
報告書6.あらしの夜に
ドタバタと朝の準備をして、それでも私たちは抜かりなく別々のドアから外に出た。
そのあとは猛ダッシュだ。
私はこれまでに出したことのないスピードで走った。
電車の中でぜえぜえ言いながらふらふらと電車内を歩く姿は、見るに堪えない姿だったと思う。
息を整えながら涼ちゃんの姿を探した。
ちゃんと乗れているだろうか。
私じゃないんだから大丈夫に決まっているんだけど。
涼ちゃんの心配を私がするなんておこがましいんだけど。
どこかの車両に乗っている涼ちゃんを思った。
結果、予定していた時間よりもかなり早く現場に到着した。
ピンチの時、人間は実力以上の力を発揮するとは本当らしい。
今日はテレビ局での仕事だった。
私たちはそこの控室でこっそりと身支度を済ませた。