泡沫の瞳
②
────私は確かに杏李を裏切ろうとした事がある…。
だけどそれは〝過去〟のこと。
今ではもう杏李の事が大好きだし、本当に一緒にいたいと思ってる。
「…また唇腫れてる…」
杏李にそう言われたのは、放課後の帰り道。また水道水で何度も唇を洗った私は、「ほんとう?」と、無理矢理笑顔を作った。
唇が、ヒリヒリする…。
「リップクリームないの?無かったら買ってこようか?」
「大丈夫だよ、家に帰ったらあるから」
「なんか、いつもより元気ないね?」
「そうかな?普通だよ」
「無理しちゃだめだよ」
柔らかく微笑んだ杏李は、「最近、悪い虫が多いみたいだから」と、私の唇にふれた。
悪い虫……?
「え?」と、呟けば、優しく頬にキスをしてきた恋人…。
「何かあったら相談するんだよ?」
そう言ってきた杏李は、いつもと変わらず。
「俺はいつでも、美緒の味方だから」
だけどそれは〝過去〟のこと。
今ではもう杏李の事が大好きだし、本当に一緒にいたいと思ってる。
「…また唇腫れてる…」
杏李にそう言われたのは、放課後の帰り道。また水道水で何度も唇を洗った私は、「ほんとう?」と、無理矢理笑顔を作った。
唇が、ヒリヒリする…。
「リップクリームないの?無かったら買ってこようか?」
「大丈夫だよ、家に帰ったらあるから」
「なんか、いつもより元気ないね?」
「そうかな?普通だよ」
「無理しちゃだめだよ」
柔らかく微笑んだ杏李は、「最近、悪い虫が多いみたいだから」と、私の唇にふれた。
悪い虫……?
「え?」と、呟けば、優しく頬にキスをしてきた恋人…。
「何かあったら相談するんだよ?」
そう言ってきた杏李は、いつもと変わらず。
「俺はいつでも、美緒の味方だから」