たとえ9回生まれ変わっても
公園に着いて、わたしは足を止めた。
ブランコ、滑り台、シーソー、鉄棒。
遊具にもベンチにも雪が降り積り、すべてを白色に包んでいる。
真っ白な景色の真ん中に、人の姿が見えた。
暗くても、後ろ姿でも、すぐにわかる。
青いマフラーが、風になびいていた。
「紫央」
わたしは呼びかけた。
「紫央っ!」
紫央がゆっくりと振り向いて、わたしを見た。
「……蒼乃」
暗闇でも、紫央の青い瞳は、青い月のように輝いていた。
「何、してるの、こんなところで」
「探し物、してたんだ」
「探し物……?」
こんな時間に?
「うん。すごく大事なものなんだ」
「もしかして、前もここで探し物をしてたの?」
「うん。何度か来た。どうしても見つけたくて……やっと、見つけたよ」
「何を……?」
紫央がふっと微笑んで、わたしに歩み寄る。
そして手を差し出した。