たとえ9回生まれ変わっても
「紫央くん、カッコいいー!」
「サラッと言えるのがすごいよな」
4人から歓声があがる。
「えへ。そうかな」
紫央が照れたように笑った。
「うん! いますっごくカッコよかった!」
「蒼乃は?」
う、とわたしは言葉を詰まらせる。
三角の耳をピンと立てた猫みたいに、反応を待っている。
「……わ、わかんないよ」
とつぶやいた。
ーーカッコいい。
ほんとうはちょっとだけ、思ってしまった。