たとえ9回生まれ変わっても
スーパーから帰ってきて、両手の袋をドサッと床に置いた。
「ありがとう2人とも。助かったわあ」
お母さんはにこにこと上機嫌で言う。
やっぱり嬉しいんだろうな、とわたしは大量に買い込んできた食材の山を見ながら思う。
部屋に戻って、押し入れの扉を開けた。
その奥から、古いアルバムを何冊か取り出す。
昔のアルバムなんて見るのはいつぶりだろうか。
若いころのお母さんとお父さん。
おばあちゃんと撮った写真もいくつかある。
覚えていないけれど、幼いわたしは、ほっそりとした女の人の腕に抱かれて楽しそうに笑っている。
写真の中のおばあちゃんは、わたしと同じ色の目をした、優しそうな女の人だった。