イジワルな君に、ラブレターを。
「……っ!」
私は、教室を飛び出した。
「はぁ、はぁ……っ」
私は、無我夢中で廊下を走る。
純太に好きと伝えるどころか、嫌いって言ってしまった。
なんでそんなこと言っちゃったんだろう。
いくら腹が立ったとはいえ、一時の感情に任せて嫌いだなんて……言うんじゃなかった。
後悔の波が次から次へと押し寄せる。
もうすぐ、中学卒業なのに。
「……っは」
私は廊下の途中で立ち止まり、走っていて乱れた呼吸を整える。
さっき、純太も私のこと……“大嫌い”って言ってたな。
考えてみれば、純太は私のことが “嫌い” だから。
たまに私に意地悪してきては、面白がったりするんだよね。
いくら純太でも、好きな女の子にはきっとそんなこと……するわけがない。
この日は、学校が終わって家に帰ってからも、純太の『若葉なんて大嫌いだ』の言葉がずっと頭から離れなかった──。