イジワルな君に、ラブレターを。


「純太……っ!」


「……あの、河辺くん。突然呼び出しちゃってごめんね?」


上靴からスニーカーに履き替え、昇降口から外に出て走っていると、体育館裏のほうから女の子の声が聞こえてきた。


今、“ 河辺くん ” って言ったよね?


声がしたほうに目をやると、同級生の女の子と純太が向かい合って立っているのが見えた。


「……何? 話って」

「あっ、あのね……あたし、ずっと河辺くんのことが好きだったの」


あ……。


純太、告白されてる。


まさか、好きな人が告白されているところに遭遇しちゃうなんて。


私は、その場から動けなくなる。


あの女の子、可愛いって男子からけっこう人気のある子だし。


純太、OKするのかな?


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