イジワルな君に、ラブレターを。
私はやけにソワソワしてしまって、落ち着かない。
どうしてもふたりのことが気になる私は、物陰に隠れてそっとふたりを見つめる。
「悪いけど……この第2ボタンだけはあげられない。もうあげる奴が決まってるから」
え?
第2ボタンをあげる人が決まってる……?
それって……。
「告白は嬉しかったけど、ごめん。俺、島津さんの気持ちには応えられない。俺、他に好きな奴がいるから」
迷いもなくはっきりと答えた純太に、島津さんは泣きそうな顔をしながらその場を去っていく。
嘘でしょ。
純太に好きな人がいるという衝撃的な事実に、私は開いた口が塞がらなくなった。
どうしよう。これは、ショックが大きすぎる。
純太に好きな人がいるだなんて……今まで考えたこともなかった。
これじゃあラブレターを純太に渡す前に、失恋しちゃったじゃない。
「……っ」
私がしばらくその場から動けずにいると。
「こんなところに突っ立って、お前なにやってんの?」