イジワルな君に、ラブレターを。
「どうした? 若葉」
私は、純太へと近づいていく。
「あのっ、私、純太に……渡したいものがあるの」
「渡したいもの?」
緊張からか、ラブレターとキャンディーを持つ手が震える。
「こっ、これなんだけど……バレンタインのチョコのお返し」
そう言って私はまず、純太にラッピングされたキャンディーを渡した。
「お返しなんて、別に良かったのに。でも、サンキュー。おっ、キャンディーじゃん」
純太が今日初めて笑ってくれた。
「あっ、あとこれも……」
「ん?」
「こっ、言葉じゃきっと上手く伝えられないから……純太に手紙を書いたの。読んでくれる?」
「えっ、手紙? 若葉が俺に手紙なんて初めてじゃね?」
純太が私からの手紙を受け取ると、封筒から便箋を取り出し読み始める。