イジワルな君に、ラブレターを。
純太、手紙を読んで何を思うだろう。
彼には他に好きな人がいるのに、『付き合ってください』って書いたものを渡すのは迷惑だったかな?
だけど……。
中学を卒業したら、もう純太とは今までみたいに会えなくなるから。
やっぱり私の想いを、ここでちゃんと自分の言葉でも伝えておきたい。
だから……勇気を出せ、私。
「あっ、あの……純太」
「なに?」
「えっと、この前は……ごめんね? 純太のこと嫌いとか言ってしまったけど、あれは全部嘘なの。その手紙に書いてあることが、私の本当の気持ち」
俯いていた顔を上げ、真っ直ぐ純太を見つめる。
「私は……ずっと、純太のことが好きでした」
……ついに、言った。
純太の反応が気になるところだけど。
怖くて、純太の顔が見られない。
私は、黙って地面を見つめる。
「……ったく、若葉。そんなこと言われたら俺、困るんだけど」