イジワルな君に、ラブレターを。
困る。
やっぱり……そうだよね。
だって、純太には他に好きな人がいるんだから。
私に告白されても困るだけ。
「そう、だよね。ごめん……っ」
鼻の奥がツンとする。
やばい。これで本当に失恋したんだと思ったら、涙が出てきそう。
私は、泣くのを必死に堪える。
早くこの場から離れないと。
純太の前でだけは泣きたくないから。
「純太……今日は話を聞いてくれてありがとう。私、行くね」
私は、その場から早足で歩き始める。
やっとの思いで、純太にラブレターとキャンディーを渡して。
直接好きだと伝えられたから、もう何も思い残すことはない。
これで、心置きなく片想いからも卒業できる。
「おい、若葉……待てよ」
私の腕を、後ろから突然純太に掴まれた。
「若葉、なに自分だけ言うこと言ってさっさと帰ろうとしてんの? 俺もお前に話があるんだけど」
話……?