イジワルな君に、ラブレターを。
「若葉、手出して」
「手?」
純太に言われるがままに、私が右手を出すと。
「これ、若葉にやるよ」
手のひらに何かをのせられた。
「え、うそ。これって……」
「俺の学ランの第2ボタンだけど?」
純太の……第2ボタン。
「どっ、どうして? 第2ボタンは、もうあげる人が決まってるんじゃなかったの?」
「ああ、そうだよ。俺はずっと、好きな人に渡そうって思ってた」
「だったら、早くその人に渡さなくちゃ!」
私は、慌てて第2ボタンを純太に返そうとする。
「……いいんだよ。お前で」
……え?
「俺が好きなのは、若葉だから」