イジワルな君に、ラブレターを。
う、そ……。
「ったく……俺が先に言おうと思ってたのに。勝手に好きとか言ってんじゃねぇよ。しかもこんな手紙まで。お前からの予想外の告白とか、嬉しすぎて困るじゃねぇかよ」
純太が口元を手の甲でおさえる。
え。困るって、そういう意味だったの!?
「この前はついカッとなって『大嫌いだ』なんて、思ってもいないことを言って悪かった。本当は……若葉のこと、誰よりも好きなのに」
照れくさそうに言う純太を目にした瞬間、言い知れない喜びと、感じたことのない幸福が込み上げてきた。
まさか純太も、同じように私のことを好きでいてくれてたなんて。
「なぁ。この第2ボタンは、ずっと若葉に渡すって決めてた。だから……今度こそ受け取ってくれるか?」
純太がもう一度、私に第2ボタンを渡してくれる。
「ありがとう。大事にするね」
私は、もらった第2ボタンをぎゅっと握りしめる。
「それから、若葉の手紙の返事。今日卒業したら、お互い別々の高校へ行って離れてしまうけど……そんなの関係ない。俺も若葉のことが好きだから。若葉、こちらこそ俺と付き合ってください」