ずっと探していた人は
「由夢……辛かったでしょ……」
本人が泣いていないのだから、私が泣いたらダメだ。
そうわかっていたのに、私の意に反して、ポタッと涙が零れ落ちる。
確かに由夢が、「達也くんが女の子と頻繁に連絡を取っていて」とか、「学校でよく女の子と2人きりで話していて」とか、愚痴ることはあった。
けれど、達也くんが、女の子と2人で遊びに行っているなんて。
そんな度が過ぎたことをしているとは、夢にも思わなかった。
「加恋が泣くことないでしょ」
由夢が笑いながら、ハンカチを渡してくれる。
「どうして相談してくれなかったの。辛い思いしていたなら、相談してほしかった。吐き出してほしかった」
貸してくれたハンカチで涙を拭う。
由夢が一人でずっと抱え込んでいたなんて、知らなかった。
いつもそばにいたのに、由夢の悩みに、気づけなかった。
そんな自分が嫌で、悔しくて、嫌いで。
私の目からは、ポタポタと涙が零れ落ちた。
「加恋、ごめん……」
「ううん、私の方こそ、何も知らなくて、ごめん……。まさか女の子と2人で遊びにまで行っているなんて……」
「違うの」
由夢がゆっくりと首を振る。
「本当はね、怖かったの。達也が女の子と2人で会っているんだって、口に出すと、自分が大切にされていないことを認めちゃうみたいで……」
由夢が黙り込む。
私が顔を上げると同時に、由夢の目から、一筋の涙が滴り落ちた。
「本当はずっと前から、別れた方が良いって、気づいていたの。気づいていたけどー……」
“本当に、大好きだったの”
由夢の真っ直ぐな言葉が、私の胸に突き刺さる。
本人が泣いていないのだから、私が泣いたらダメだ。
そうわかっていたのに、私の意に反して、ポタッと涙が零れ落ちる。
確かに由夢が、「達也くんが女の子と頻繁に連絡を取っていて」とか、「学校でよく女の子と2人きりで話していて」とか、愚痴ることはあった。
けれど、達也くんが、女の子と2人で遊びに行っているなんて。
そんな度が過ぎたことをしているとは、夢にも思わなかった。
「加恋が泣くことないでしょ」
由夢が笑いながら、ハンカチを渡してくれる。
「どうして相談してくれなかったの。辛い思いしていたなら、相談してほしかった。吐き出してほしかった」
貸してくれたハンカチで涙を拭う。
由夢が一人でずっと抱え込んでいたなんて、知らなかった。
いつもそばにいたのに、由夢の悩みに、気づけなかった。
そんな自分が嫌で、悔しくて、嫌いで。
私の目からは、ポタポタと涙が零れ落ちた。
「加恋、ごめん……」
「ううん、私の方こそ、何も知らなくて、ごめん……。まさか女の子と2人で遊びにまで行っているなんて……」
「違うの」
由夢がゆっくりと首を振る。
「本当はね、怖かったの。達也が女の子と2人で会っているんだって、口に出すと、自分が大切にされていないことを認めちゃうみたいで……」
由夢が黙り込む。
私が顔を上げると同時に、由夢の目から、一筋の涙が滴り落ちた。
「本当はずっと前から、別れた方が良いって、気づいていたの。気づいていたけどー……」
“本当に、大好きだったの”
由夢の真っ直ぐな言葉が、私の胸に突き刺さる。