ずっと探していた人は
達也くんから告白してもらった時、見たことの無いぐらい幸せそうな顔で報告してくれた由夢。

達也くんのことを、本当に嬉しそうに話す由夢。

そばにいても、由夢の悩みに気づけなかった。

けれどそばにいたから、由夢がどれだけ達也くんのことが好きだったかは、私はちゃんと知ってる。

「知ってるよ、本当に大好きだったこと。由夢が達也くんのこと、大好きだったってこと、私はちゃんと知っている」

由夢と視線が重なる。

すると由夢は、「ありがとう」と優しく笑った。


「加恋」

由夢が深呼吸する。

「最後に、私が逃げないように、見守っていてほしい」

カバンからスマートフォンを取り出す。

「達也のこと、大好きだった。だからもう、これ以上、達也のだらしないところ見たくない。嫌いになりたくない。失望したくない」

そう言い切った由夢は、その場で達也くんに電話をかけ、別れを告げた。



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