ずっと探していた人は
”せっかくのクリスマスなのに一緒に過ごせなくてごめんね。
物で許されるとは思っていないけれど、せめて会えない代わりに、加恋に似合いそうなプレゼントを用意しました。使ってね。
冬休みに会えることを楽しみに、俺も仕事、頑張ってきます!”


「涼くん…………」

涼くんはきっと気が付いているんだ。

以前のように、私が涼くんを求めていないことに。

けれどきっと、私との関係を壊したくなくて、大切に思ってくれていて、プレゼントとメッセージカードを用意してくれたんだろう。

仕事で忙しいのに……。

涼くんの気持ちとこんな高価なプレゼント、中途半端な気持ちじゃ受け取れないよ……。

私はとりあえず段ボール箱を自分の部屋まで運ぶと、大きくため息をついた。



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