ずっと探していた人は
「ごめん」
驚かせてしまったことを謝ると、大橋くんはフルフル首を横に振った。
「星、きれいだね」
横にならんで空を見上げると、視界の隅で大橋くんがうなずくのが見えた。
澄み切った夜空には、本当にたくさんの星が輝いていて、こんなに綺麗に星が見えるのはいつぶりだろう、と考える。
きっと今日、日本中のカップルは一緒に空を見上げ、きれいだねって、微笑みあっているんだろうな。
そんなことをぼーっと考えていると、大橋くんが横でクスクス笑った。
「なに、どうしたの」
「滝川さん、ほっぺたに生クリーム、ついてるよ」
「うそ!」
とっさに頬に手を伸ばすと、指にベタっとしたものが触れた。
「うわ、これ、絶対、さっき徹に無理矢理食べさせられそうになった時についたやつだ」
徹が私のケーキをつまみ食いしたから思わず怒った時に、徹がふざけて手に持っていたケーキを私に食べさせようとしたことを思い出す。
文句を言いながら頬をさする私を見て、大橋くんはまた笑った。
「ほんっと仲良いよね」
「まあ幼馴染だからね……」
苦笑気味の私に、大橋くんはまた笑った。
「今日」
一息ついたところで、ずっと聞きたかったことを大橋くんにぶつける。
「どうしてきたの」
私の質問に驚いたのか、大橋くんは笑みを残したまま私に視線を向けた。
「どうしてって」
「だって、不参加って言ってたから」
予定とかあったのかなって思って、そう言うと、大橋くんは、ああ、とうなずいた。
「あったと言えばあったかな。けど来たかったから来たよ」
「なにそれ」
大橋くんの適当な返事に、私はふっと笑みがこぼれた。
「大切な約束だったんでしょ」
わざわざクリスマスイブにする約束なんて、大切な人との大切な約束に決まっている。
夜空の星に視線を戻しながら尋ねると、大橋くんは少しの沈黙の後、口を開いた。
驚かせてしまったことを謝ると、大橋くんはフルフル首を横に振った。
「星、きれいだね」
横にならんで空を見上げると、視界の隅で大橋くんがうなずくのが見えた。
澄み切った夜空には、本当にたくさんの星が輝いていて、こんなに綺麗に星が見えるのはいつぶりだろう、と考える。
きっと今日、日本中のカップルは一緒に空を見上げ、きれいだねって、微笑みあっているんだろうな。
そんなことをぼーっと考えていると、大橋くんが横でクスクス笑った。
「なに、どうしたの」
「滝川さん、ほっぺたに生クリーム、ついてるよ」
「うそ!」
とっさに頬に手を伸ばすと、指にベタっとしたものが触れた。
「うわ、これ、絶対、さっき徹に無理矢理食べさせられそうになった時についたやつだ」
徹が私のケーキをつまみ食いしたから思わず怒った時に、徹がふざけて手に持っていたケーキを私に食べさせようとしたことを思い出す。
文句を言いながら頬をさする私を見て、大橋くんはまた笑った。
「ほんっと仲良いよね」
「まあ幼馴染だからね……」
苦笑気味の私に、大橋くんはまた笑った。
「今日」
一息ついたところで、ずっと聞きたかったことを大橋くんにぶつける。
「どうしてきたの」
私の質問に驚いたのか、大橋くんは笑みを残したまま私に視線を向けた。
「どうしてって」
「だって、不参加って言ってたから」
予定とかあったのかなって思って、そう言うと、大橋くんは、ああ、とうなずいた。
「あったと言えばあったかな。けど来たかったから来たよ」
「なにそれ」
大橋くんの適当な返事に、私はふっと笑みがこぼれた。
「大切な約束だったんでしょ」
わざわざクリスマスイブにする約束なんて、大切な人との大切な約束に決まっている。
夜空の星に視線を戻しながら尋ねると、大橋くんは少しの沈黙の後、口を開いた。