ずっと探していた人は
久しぶりに乗ったアトラクションは、以前乗った時と少しだけ変わっている部分があったけれど、やっぱり世界観がとてもかわいくて、とても楽しかった。
「可愛かったね~癒されたね~」
涼くんも楽しんでくれたようで、私も嬉しかった。
「あ、お土産、見ていく?ここのショップ、このキャラクターの専門店なんだよ」
涼くんが私の手を引っ張る。
「うわあ、可愛いねえ~!」
まるでアトラクションの一部が再現されたようなショップの中には、私の大好きなくまのグッズがたくさん並んでいた。
「すきなものあったら買ってあげるよ?」
「ありがとう、でも今日はバレンタインだし、私が涼くんに何かプレゼントするよっ」
そう言いながらグッズを見て回っていると、見慣れたぬいぐるみが置かれているのを発見した。
「これ……」
大きいくまのぬいぐるみ。
ーーそれは紛れもなく、以前大橋くんがバッティングセンターで私のために獲ってくれた景品だった。
大橋くんは今日、花木さんと会っているのかな。
大橋くんは今日、花木さんとどこに行っているのかな。
大橋くんは今日、花木さんと付き合うのかな。
「ん? これ欲しいの?」
大きなくまのぬいぐるみの前で立ち尽くしている私に、涼くんが背後から覗き込む。
「あ、ううん……」
「いいよ? 買ってあげるよ?」
じっと私がぬいぐるみを見ていたから、涼くんは私が欲しがっているのだと勘違いしたようだった。
「ちがうの、これ、もうもっていて」
「へえ、加恋、本当にこのキャラクター大好きなんだね」
涼くんは感心したように言った。
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってきても良い?」
涼くんから逃げるように、私は近くのトイレに駆け込む。
一番近くの個室に入り込むと、私はガチャンと鍵を閉め、トイレに座った。
「可愛かったね~癒されたね~」
涼くんも楽しんでくれたようで、私も嬉しかった。
「あ、お土産、見ていく?ここのショップ、このキャラクターの専門店なんだよ」
涼くんが私の手を引っ張る。
「うわあ、可愛いねえ~!」
まるでアトラクションの一部が再現されたようなショップの中には、私の大好きなくまのグッズがたくさん並んでいた。
「すきなものあったら買ってあげるよ?」
「ありがとう、でも今日はバレンタインだし、私が涼くんに何かプレゼントするよっ」
そう言いながらグッズを見て回っていると、見慣れたぬいぐるみが置かれているのを発見した。
「これ……」
大きいくまのぬいぐるみ。
ーーそれは紛れもなく、以前大橋くんがバッティングセンターで私のために獲ってくれた景品だった。
大橋くんは今日、花木さんと会っているのかな。
大橋くんは今日、花木さんとどこに行っているのかな。
大橋くんは今日、花木さんと付き合うのかな。
「ん? これ欲しいの?」
大きなくまのぬいぐるみの前で立ち尽くしている私に、涼くんが背後から覗き込む。
「あ、ううん……」
「いいよ? 買ってあげるよ?」
じっと私がぬいぐるみを見ていたから、涼くんは私が欲しがっているのだと勘違いしたようだった。
「ちがうの、これ、もうもっていて」
「へえ、加恋、本当にこのキャラクター大好きなんだね」
涼くんは感心したように言った。
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってきても良い?」
涼くんから逃げるように、私は近くのトイレに駆け込む。
一番近くの個室に入り込むと、私はガチャンと鍵を閉め、トイレに座った。