ずっと探していた人は
ここはどこなのだろう。

空を見上げてみあげてみるけれど、光なんて全く見えない。

苦しい、つらい、悲しい。

そんな感情が私を包み込む。

どこに向かって歩けばこの感情から抜け出せる?
どこに向かって歩けば光は見える?
どこに向かって歩けば安心できるの?

自分がどこにいるのか、どこを向いているのか、全くわからない。

私は歩くことを諦めて、その場に寝ころんだ。

「誰か、助けて」

祈るような気持ちで目を閉じ、胸の前で手を組む。

この絶望感から抜け出したい。

一筋の涙が頬をつたう。


疲れ果てた私はいつの間にか眠ってしまっていたようで、ハッと目を覚まし、起き上がる。

「あっ」

起き上がった私の隣では、小さな星が輝いている。

私はその星に手を伸ばして掴み、そっと胸に抱く。

「これだ」

私の中が安心感で満たされると同時に、その星は今まで見たどの星よりも明るく輝き、思わず私は輝きと笑みで目を細める。

その瞬間―……私の前に、まるで行くべき道を示すかのように、一本の光が差し込む。

私は大切に星を抱えながら、光が照らす方向へ、全力で駆け出した。


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