ずっと探していた人は
「加恋…………?」

眩しい光に恐る恐る目を開ける。

すると目の前には、真っ白で無機質な天井と、心配そうに私を覗き込む涼くんの顔が見えた。

「涼、くん?」

「よかった…………」

涼くんはナースコールで私の意識が戻ったことを伝えると、何かを確かめるように私の手をぎゅっと握った。

「涼くんー……」

起き上がろうとしたけれどふらつきが起こり、私はもう一度ベッドへ身を沈めた。

「無理しなくて大丈夫だから」

「うん…………」

自分を取り巻く状況を確かめようと部屋を見渡すと、ドアがガラッと開いた。

「こんにちは」

白衣を着た、きっとお父さんぐらいの年齢のお医者さんは、笑顔で私と涼くんに挨拶をしてくれた。

「こんにちは」

少しかすれながらも挨拶を返すと、先生はまたにこっと笑ってくれた。

「滝川加恋さん。気分はどう?」

先生は涼くんの反対側に回り込み、私を覗き込んだ。

「気分は、大丈夫です。悪くないです」

「頭は痛くない?」

「大丈夫です」

先生は私の言葉に、うん、よかった、とうなずく。

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