ずっと探していた人は
「徹、今日はありがとうね」
お互いの家が近くなり2人になったところで、私は切り出した。
「おお、いーぜ」
鼻歌を歌っていた徹が答える。
「けどさ、お前ちょっと彼氏に気を遣いすぎっていうか、我慢しすぎじゃねーか?」
最近、無理してるだろ?
徹は続けた。
「俺は加恋と昔から一緒にいるし、ずっと兄妹みたいな存在だから、正直お前の考えていることはなんでもわかるよ。けどお前の彼氏は、そんなことないだろ? きちんと気持ち伝えないと、わからないぞ」
「うん…………」
それだけ言うと、徹は、明日の朝も家まで迎えに行ってやんよ、と言った。
「ほんとに?」
「おお、勉強教えてくれているお礼に、お前の好きな菓子パン持って行ってやる!」
だから遅刻すんなよ、と徹は笑う。
「遅刻するのは徹でしょ」
「はー? 俺遅刻なんてしたことねーもん」
「嘘つき! 野球部の朝練が無いときは大体遅刻してるじゃん。今日だってギリギリだったくせに!」
「えー? お前の勘違いじゃね??」
とぼける徹の背中をパシッと叩くと、徹は「痛っ!」と笑った。
「また明日ね~!」
自分の家のほうへ歩き出した徹に叫ぶと、徹は、おう!と手を振る。
さっきまで真っ黒で重たかった心が、少し軽くなる。
自分を見てくれている人がいてくれるって、どれだけ心強いのだろう。
「ただいま!!」
私はいつも通りの元気のいい声で、家族に帰宅を告げた。
お互いの家が近くなり2人になったところで、私は切り出した。
「おお、いーぜ」
鼻歌を歌っていた徹が答える。
「けどさ、お前ちょっと彼氏に気を遣いすぎっていうか、我慢しすぎじゃねーか?」
最近、無理してるだろ?
徹は続けた。
「俺は加恋と昔から一緒にいるし、ずっと兄妹みたいな存在だから、正直お前の考えていることはなんでもわかるよ。けどお前の彼氏は、そんなことないだろ? きちんと気持ち伝えないと、わからないぞ」
「うん…………」
それだけ言うと、徹は、明日の朝も家まで迎えに行ってやんよ、と言った。
「ほんとに?」
「おお、勉強教えてくれているお礼に、お前の好きな菓子パン持って行ってやる!」
だから遅刻すんなよ、と徹は笑う。
「遅刻するのは徹でしょ」
「はー? 俺遅刻なんてしたことねーもん」
「嘘つき! 野球部の朝練が無いときは大体遅刻してるじゃん。今日だってギリギリだったくせに!」
「えー? お前の勘違いじゃね??」
とぼける徹の背中をパシッと叩くと、徹は「痛っ!」と笑った。
「また明日ね~!」
自分の家のほうへ歩き出した徹に叫ぶと、徹は、おう!と手を振る。
さっきまで真っ黒で重たかった心が、少し軽くなる。
自分を見てくれている人がいてくれるって、どれだけ心強いのだろう。
「ただいま!!」
私はいつも通りの元気のいい声で、家族に帰宅を告げた。