ずっと探していた人は
「昼飯食おーぜっ!」
中川くんはそう言って、素早くお弁当を開ける。
昼休み、私たちはそれぞれお弁当をもって、由夢と中川くんの席に集まった。
中川くんと由夢の席が隣になってから、私たちは休み時間、いつもここに集まる。
中川くんは、「いただきまーす」と言いながら、ガツガツ食べ始める。
「お腹減った~」
私もお弁当を開けながら、チラッと大橋くんを見ると、大橋くんはだまってサンドウィッチを食べ始めていた。
「大橋くんはパン派?」
何か話したくて、声をかける。
「え」
話しかけられると思っていなかったからか、それとも違うことを考えていたからなのか、大橋くんは驚いてこっちをみた。
「お昼ご飯、パン、多くない?」
「あ、確かに! あんまりお弁当持ってきているイメージないよね」
私の問いに、由夢も、うんうん、とうなずく。
大橋くんは一度自分の手元を見てから、「ああ」と答えた。
「お母さんが、パンの方が好きだから」
「お母さんが?」
「うん、お母さんが自分のお弁当を作るときに、俺のも一緒に作ってくれるから」
「そうなんだ」
「大橋の母ちゃん、幼稚園の先生なんだぜ」
中川くんがご飯を掻き込みながら言う。
「へえ~! 幼稚園の先生!」
「いいなあ、私子ども大好き」
由夢がうらやましそうに大橋くんをみる。
「だってお前、子どもみたいだもんな!」
精神年齢低いから子供と気が合うんじゃないのと徹が言うと、由夢以外のみんなが笑った。
「はあ? あんたにだけは言われたくない!」
「まあ、どっちもどっちだな」
中川くんがあきれた様子で言うと、2人から言い返されて、その様子が面白くて私と大橋くんは思わず吹き出す。
だから、気が付かなかった、教室が騒がしくなっていたことに。
「かーれんっ」
肩を叩かれて振り向くと、いつもと雰囲気が違ったから、一瞬誰だかわからなかった。
中川くんはそう言って、素早くお弁当を開ける。
昼休み、私たちはそれぞれお弁当をもって、由夢と中川くんの席に集まった。
中川くんと由夢の席が隣になってから、私たちは休み時間、いつもここに集まる。
中川くんは、「いただきまーす」と言いながら、ガツガツ食べ始める。
「お腹減った~」
私もお弁当を開けながら、チラッと大橋くんを見ると、大橋くんはだまってサンドウィッチを食べ始めていた。
「大橋くんはパン派?」
何か話したくて、声をかける。
「え」
話しかけられると思っていなかったからか、それとも違うことを考えていたからなのか、大橋くんは驚いてこっちをみた。
「お昼ご飯、パン、多くない?」
「あ、確かに! あんまりお弁当持ってきているイメージないよね」
私の問いに、由夢も、うんうん、とうなずく。
大橋くんは一度自分の手元を見てから、「ああ」と答えた。
「お母さんが、パンの方が好きだから」
「お母さんが?」
「うん、お母さんが自分のお弁当を作るときに、俺のも一緒に作ってくれるから」
「そうなんだ」
「大橋の母ちゃん、幼稚園の先生なんだぜ」
中川くんがご飯を掻き込みながら言う。
「へえ~! 幼稚園の先生!」
「いいなあ、私子ども大好き」
由夢がうらやましそうに大橋くんをみる。
「だってお前、子どもみたいだもんな!」
精神年齢低いから子供と気が合うんじゃないのと徹が言うと、由夢以外のみんなが笑った。
「はあ? あんたにだけは言われたくない!」
「まあ、どっちもどっちだな」
中川くんがあきれた様子で言うと、2人から言い返されて、その様子が面白くて私と大橋くんは思わず吹き出す。
だから、気が付かなかった、教室が騒がしくなっていたことに。
「かーれんっ」
肩を叩かれて振り向くと、いつもと雰囲気が違ったから、一瞬誰だかわからなかった。