ずっと探していた人は
文化祭も終わり、お化け屋敷の後片づけを軽くクラスの皆でした後、由夢たちから
「そろそろ後夜祭が始まるよ~」と声をかけられる。
「ごめん! ちょっとお手洗い行きたいから、先にグラウンド行ってて? 後から行くから」
由夢たちに断りを入れてから、私は教室を足早に立ち去る。
後から行くとは一応言ったけれど、本当は最初から後夜祭には行かないつもりだった。
私はお手洗いにも寄らず、誰にも見つからないように旧校舎へ向かい、屋上へ出る扉を開ける。
開くかな、と少し不安に思いつつも、いつか来た日と同じように、屋上のドアは、ギギィー……と音を立てながら、開いた。
少し冷たくなった風を全身に浴びながら屋上へ足を踏み入れると、私は驚きで歩みを止める。
誰もいないと思っていたのに、フェンスにもたれかかっている人影が見えたからだ。
わざわざ旧校舎の屋上へ来るなんて、きっと1人になりたいのだろう。
先に来ていた人の、屋上での1人の時間を邪魔したくなくて、私は屋上で過ごすのを諦めようとして背を向けた時、「滝川さん……?」と呼ばれたから、私は飛び上がるほど驚いた。
「大橋くん!?」
よく見ると、そこには良く見慣れた人が立っていた。
「どうしたの、こんなところで。1人? 後夜祭は?」
てっきり徹たちと後夜祭に行ったものだと思っていたから、驚きのあまり、思わず早口でまくし立てる。
「そろそろ後夜祭が始まるよ~」と声をかけられる。
「ごめん! ちょっとお手洗い行きたいから、先にグラウンド行ってて? 後から行くから」
由夢たちに断りを入れてから、私は教室を足早に立ち去る。
後から行くとは一応言ったけれど、本当は最初から後夜祭には行かないつもりだった。
私はお手洗いにも寄らず、誰にも見つからないように旧校舎へ向かい、屋上へ出る扉を開ける。
開くかな、と少し不安に思いつつも、いつか来た日と同じように、屋上のドアは、ギギィー……と音を立てながら、開いた。
少し冷たくなった風を全身に浴びながら屋上へ足を踏み入れると、私は驚きで歩みを止める。
誰もいないと思っていたのに、フェンスにもたれかかっている人影が見えたからだ。
わざわざ旧校舎の屋上へ来るなんて、きっと1人になりたいのだろう。
先に来ていた人の、屋上での1人の時間を邪魔したくなくて、私は屋上で過ごすのを諦めようとして背を向けた時、「滝川さん……?」と呼ばれたから、私は飛び上がるほど驚いた。
「大橋くん!?」
よく見ると、そこには良く見慣れた人が立っていた。
「どうしたの、こんなところで。1人? 後夜祭は?」
てっきり徹たちと後夜祭に行ったものだと思っていたから、驚きのあまり、思わず早口でまくし立てる。