ずっと探していた人は
「由夢~!」
土曜日。大型ショッピングモールの入り口で待っている由夢を見かけて、私は手を振る。
「加恋!おはよ!」
いつも明るい由夢だけど、今日はいつもよりずっと明るくて元気で、本当に達也くんとのデートを楽しみにしているんだなあと実感する。
「今日はね、いっぱい歩かせるから覚悟しててね」
「はいはい、頑張ります」
おどけて敬礼ポーズをした私に、由夢は「本当に連れまわすからね」と笑った。
「どんな服買うの?」
「そう、大切なのはそこなのよ」
デートに誘われた日からずっと悩んでて……と、由夢がうなる。
「ワンピースっていうのは決めたんだけど。どんなのにしようかなあ」
ごそごそと、由夢はカバンからスマートフォンを取り出す。
「やっぱり、こういう、カジュアルで大人っぽい感じがいいかな?」
1枚の画像を私に見せる。
そこには、黒色で、膝上ぐらいの丈の、シャツワンピースを着ている女性がうつっていた。
「大人っぽい……!」
「でしょ、けど私、幼児体型だからなあ……。ウエストでベルトしても、あんまりメリハリつかないから、逆に幼く見えるかなって思ったり……」
由夢は「本当はこういうワンピース挑戦してみたいんだけどね」と笑う。
「由夢はかわいいからさ、とことん可愛い路線追求するのはどう? ニットワンピとか」
「ニットワンピも迷ってたの! かわいいよね」
由夢が画像を探す。
「白のニットワンピとか似合いそう」
「ほんと? こんな感じ?」
由夢が画像を差し出す。
「そうそう! こんなイメージ!」
由夢が見せてくれた画像には、シンプルな白のニットワンピに、ゆるく髪の毛を巻いた女性が微笑みながら写っている。
「やっぱりかわいい系の方が無難かなあ」
本当は歳の差を感じさせないように、大人っぽい格好で攻めたいんだけど、と由夢が悩む。
「歳の差を感じさせないように、か。なるほどね……。悩ましいねえ……」
私はもう一度、由夢のスマートフォンを覗き込む。
由夢は丸くてぱっちりした目が特徴的の甘くて可愛い顔立ちだから、可愛い系の方が似合うんじゃないかなあと思いつつ、シャツワンピースを着ている由夢を想像してみる。
「由夢」
「うん?」
画像から目を離さずに返事をする由夢から、スマートフォンを取りあげる。
「せっかく来たんだからさ、気になるワンピース、全部試着してみようよ」
私の提案に、由夢は「けど……」と言う。
「何時間かかっても知らないよ?」
由夢がニヤッと笑う。
「大切な親友の勝負服を選ぶんだもん。何時間でも付き合うよ」
臨むところだよ、と言うと、由夢は、「ありがと! 大好き!」と私に抱き着いた。
土曜日。大型ショッピングモールの入り口で待っている由夢を見かけて、私は手を振る。
「加恋!おはよ!」
いつも明るい由夢だけど、今日はいつもよりずっと明るくて元気で、本当に達也くんとのデートを楽しみにしているんだなあと実感する。
「今日はね、いっぱい歩かせるから覚悟しててね」
「はいはい、頑張ります」
おどけて敬礼ポーズをした私に、由夢は「本当に連れまわすからね」と笑った。
「どんな服買うの?」
「そう、大切なのはそこなのよ」
デートに誘われた日からずっと悩んでて……と、由夢がうなる。
「ワンピースっていうのは決めたんだけど。どんなのにしようかなあ」
ごそごそと、由夢はカバンからスマートフォンを取り出す。
「やっぱり、こういう、カジュアルで大人っぽい感じがいいかな?」
1枚の画像を私に見せる。
そこには、黒色で、膝上ぐらいの丈の、シャツワンピースを着ている女性がうつっていた。
「大人っぽい……!」
「でしょ、けど私、幼児体型だからなあ……。ウエストでベルトしても、あんまりメリハリつかないから、逆に幼く見えるかなって思ったり……」
由夢は「本当はこういうワンピース挑戦してみたいんだけどね」と笑う。
「由夢はかわいいからさ、とことん可愛い路線追求するのはどう? ニットワンピとか」
「ニットワンピも迷ってたの! かわいいよね」
由夢が画像を探す。
「白のニットワンピとか似合いそう」
「ほんと? こんな感じ?」
由夢が画像を差し出す。
「そうそう! こんなイメージ!」
由夢が見せてくれた画像には、シンプルな白のニットワンピに、ゆるく髪の毛を巻いた女性が微笑みながら写っている。
「やっぱりかわいい系の方が無難かなあ」
本当は歳の差を感じさせないように、大人っぽい格好で攻めたいんだけど、と由夢が悩む。
「歳の差を感じさせないように、か。なるほどね……。悩ましいねえ……」
私はもう一度、由夢のスマートフォンを覗き込む。
由夢は丸くてぱっちりした目が特徴的の甘くて可愛い顔立ちだから、可愛い系の方が似合うんじゃないかなあと思いつつ、シャツワンピースを着ている由夢を想像してみる。
「由夢」
「うん?」
画像から目を離さずに返事をする由夢から、スマートフォンを取りあげる。
「せっかく来たんだからさ、気になるワンピース、全部試着してみようよ」
私の提案に、由夢は「けど……」と言う。
「何時間かかっても知らないよ?」
由夢がニヤッと笑う。
「大切な親友の勝負服を選ぶんだもん。何時間でも付き合うよ」
臨むところだよ、と言うと、由夢は、「ありがと! 大好き!」と私に抱き着いた。