青に染まる
「それで、兄貴何か用があって来たんじゃないの?」
「あ、そうそう」

 哀音ははっきり言って、僕より勉強ができる。要領もいいし。

 勉強すると決めたはいいが、何からどう手をつけたらいいかわからない僕として助言が欲しかった。情けないことではあるが、弟から助言を得ようと考えていた。

 まだ入学してから間もなくて、こういう相談ができる友人もいないし。

「兄貴、勉強やるの?」
「うん、赤点続きはどうかと思ったしね。今は哀音しか頼れる人はいないし」

 少し哀音の目に輝きが灯る。たぶん、「哀音しか頼れる人はいない」というのが効いたのだろう。純粋でやっぱり可愛い弟だ。

「何から始めたらいいかな」
「ええと……やっぱり、勉強って予習復習が大事だから……兄貴の場合は復習から始めた方がいいんじゃないかな。テストで駄目だったとことか」
「なるほど、ありがとう!」

 こちらも笑えば、哀音も笑ってくれる。本当にいい弟だ。
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