青に染まる
僕が向かったのはやはり毎日の習慣からか、学校の花壇のところだった。
マリーゴールドが咲いている。あまりいい花言葉のないこの花だが、黄色や橙色といった明るい色に元気づけられる。
いつものようにさっと水をあげて、少し生えた雑草取りをした。
「あ、やっぱりまた来てた」
そこに、春子さんがやってくる。
「よっ」
「初対面相手に『よっ』はないだろ夏帆」
今日は見慣れない人物も一緒だ。
「よっ」と親しげに手を挙げた人物は手足の長いスポーティーな体格の春子さんと違い、日本人一般女子高生といった雰囲気がする。カーディガンの袖が伸びたのをいわゆる萌え袖のようにしているが、残念ながら全く萌えない。
夏帆と呼ばれたその人はてへっみたいな態度を取って笑う。チャラいな、というのが全体的な印象だ。
「春子さん、その人は」
「ああ、相楽、こいつは」
「えー、何々。二人は名前呼びの関係!? 春子は惚れた腫れたの話に興味ないとは思っていたけど、ちゃんとマークしてるんだねぇ。うんうん、春子もいつかはアタシの元を離れて巣立っていくんだ。お母さん嬉し、いてっ」
「馬鹿は程々にしな、阿呆」
びしりと効果音のついた手刀で突っ込まれた夏帆さん。どうやら野次馬根性全開のようだ。
「ちょ、春子ひどいっ!今『夏帆』のイントネーションで『阿呆』って言ったよね!? ね!?」
「こいつ南夏帆。サボり魔の一人ね」
「無視!?」
そんなコントのようなやりとりに、思わず和んでしまう。
「南さんですか。汀相楽です」
「夏帆でいいよ! あとタメね! ところで右が相楽なら左は何なの?」
「みぎわって苗字じゃど阿呆」
お馬鹿全開の夏帆さんに突っ込む春子さん。なんだかお疲れさまです。
マリーゴールドが咲いている。あまりいい花言葉のないこの花だが、黄色や橙色といった明るい色に元気づけられる。
いつものようにさっと水をあげて、少し生えた雑草取りをした。
「あ、やっぱりまた来てた」
そこに、春子さんがやってくる。
「よっ」
「初対面相手に『よっ』はないだろ夏帆」
今日は見慣れない人物も一緒だ。
「よっ」と親しげに手を挙げた人物は手足の長いスポーティーな体格の春子さんと違い、日本人一般女子高生といった雰囲気がする。カーディガンの袖が伸びたのをいわゆる萌え袖のようにしているが、残念ながら全く萌えない。
夏帆と呼ばれたその人はてへっみたいな態度を取って笑う。チャラいな、というのが全体的な印象だ。
「春子さん、その人は」
「ああ、相楽、こいつは」
「えー、何々。二人は名前呼びの関係!? 春子は惚れた腫れたの話に興味ないとは思っていたけど、ちゃんとマークしてるんだねぇ。うんうん、春子もいつかはアタシの元を離れて巣立っていくんだ。お母さん嬉し、いてっ」
「馬鹿は程々にしな、阿呆」
びしりと効果音のついた手刀で突っ込まれた夏帆さん。どうやら野次馬根性全開のようだ。
「ちょ、春子ひどいっ!今『夏帆』のイントネーションで『阿呆』って言ったよね!? ね!?」
「こいつ南夏帆。サボり魔の一人ね」
「無視!?」
そんなコントのようなやりとりに、思わず和んでしまう。
「南さんですか。汀相楽です」
「夏帆でいいよ! あとタメね! ところで右が相楽なら左は何なの?」
「みぎわって苗字じゃど阿呆」
お馬鹿全開の夏帆さんに突っ込む春子さん。なんだかお疲れさまです。