青に染まる
 そこから春子さんのツッコミも交えつつ、夏帆さんに花壇の世話について説明していく。

 まずは簡単な水やりから。雑草は、目立ってきたら、取ればいい。今のように花が咲いているときなんかは見分けをつけやすいので、草取りにはうってつけだ。

 そんなことをわいわいと話していると、心の霧はいつの間にか晴れて気にならなくなっていた。二人に感謝だ。

「やっぱり、土いじりをしているときが一番心が安らぐ」

 そう言うと、夏帆さんが首を傾げる。

「そうか? 雑草取りとか、水やりとか、地味の極みだと思うけど」
「その地味なところがいいのさ。地道にやっていけば、こうして綺麗な花が咲く」
「相楽女子力高いー」
「何故あたしを見ながら言うんだ、夏帆」

 そんなほのぼのとした空気が続く中、ふと僕に何か刺さるような冷たいものを感じた。……視線?

 追って顔を上げると、そこには幸葵くんが立っていた。
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