LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
◇
全てを話し終え、恐る恐る綾知さんの顔を見る。
私を、どう思ったのかと。
そうやって、妊娠した私をどう思ったのか。
「中絶じゃなくて、自然に出て来たのならば、特に子宮内に傷が残ったりもしてないだろうし。
妊娠するのに問題はなさそうだな」
その言葉に、この人にとっての私は、本当に子供を産む機械か何かだろうか、と思わされた。
それとも、機械なのはこの人なのだろうか?
人間らしい感情はないの?
「ねぇ、本当に、今日も私、また倉持さんとしないといけないの?
嫌だ…」
縋るように、綾知さんの腕を掴んだ。
過去の事を話した後だから、そんな私の気持ちを分かってくれるんじゃないかと。
男の人に触られるのも怖いし、妊娠するのも怖い。
そう、一縷の望みをかけて、綾知さんを見る。
「今回こそ、妊娠出来るといいな。
妊娠したら、また色々不安かもしれないけど。
子供が産まれたら、千花も絶対子供が可愛いと思えるから」
そう言った綾知さん自体が、私が言って欲しいのはそんな言葉じゃないと分かっているからか。
その言葉は、何かの台詞を言ってるみたいに、とても白々しかった。