LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~

「倉持、今日は俺はリビングに居るから。
そっちの部屋で千花の事好きにしていいから」


「マジですか?
前回眞山さんに見られてて、実はけっこう緊張してて。
今日は思う存分堪能させて貰います」


それを聞きながら、自分の手や体がさらにカタカタと震えていた。


目に涙も浮かんで来る。


「千花、ほら早く立って。
倉持待ってるから」


そう、クスリと笑っていて。


倉持さんは、私を促すように寝室の扉を開けた。


「千花ちゃん。
早くエッチしようよ」

そう、下品に笑う。



私は震える足でソファーから立ち上がり、倉持さんの方へと歩いて行く。



嫌だ、嫌だ、嫌だ。


助けて…。


そう思い、綾知さんに視線を向けた。


綾知さんは一瞬、私の方に手を伸ばそうとしたけど、その手はすぐに下ろされる。


ふと、リビングの大きな掃き出し窓に目を向けた。


この部屋に来てすぐに、綾知さんが換気をすると言って、ほんの少しだけ開けられている。

そして、カーテンが開けられていて、
ガラスの向こうに見える月が、とても綺麗だった。



その月に引き寄せられるように、
私はベランダの方へと走った。


少ししか開いてないサッシを大きく開け、外に出ると。


ベランダの柵に両手を付いて体を持ち上げ、
右足を手摺に掛けた。


その時、


「千花!」


そう耳元で叫ぶような声が聞こえたと同時に、
思いっきり私は後ろに引っ張られて、その柵から引き離された。


その弾みで、私を引っ張った綾知さんと私は、
ベランダのコンクリートの床に思いっきり体を打ち付けた。

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