LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
「千花が望むなら、離婚しても構わないから」
「離婚…」
離婚…。
離婚すれば、この人から解放される。
「別に、子供を作る計画が失敗したから、それを言い出したわけじゃないから」
そう、笑っているけど。
なんだか乾いた笑い。
「千花、今ならまた篠宮君とよりを戻せるかもしれない。
俺に脅されてた事、全部言えばいい。
彼が千花の事を本当に好きなら、きっと、また彼は戻って来てくれると思う」
晴君…。
どうだろう?
晴君には、本当に幻滅されたからな。
「綾知さん。
嘘付かずに、正直に答えて。
あなたは、私の事どう思っているの?」
この人は、私をどう思っているのだろうか?
それが、私は一番知りたい。
「父親から、辻山さんの娘がうちの会社に入たって聞いて、気にして千花の事は見てた。
その時点で、千花に興味は持っていたかな。
昔、会った時は子供だったけど、
大人になって綺麗になった千花の姿に、ドキッとしたし。
永倉さんにそうやって頼まれた時も、だから、頷いたのかもしれない」
「うん…」
「けど、好きかどうかって言われると、そこまでじゃないと思っていたけど。
前に、千花が篠宮君とこっそりと会ってる事を知った時に、自分が嫉妬している事に気付いて。
その時、俺の事が大嫌いって言われて、本当に目の前が真っ暗になるような感覚がした」
「うん」
「今日も、あの家庭教師だったとかいう奴に腹立ったし。
倉持に抱かれる千花を見る事も、今日は出来そうになくて…」
綾知さんはそう言うと、
「千花が、大好きだよ…」
今にも泣き出しそうな声で、そう口にした。
なんだか、こっち迄泣きそうになる。
「分かった。
離婚の件は、考えさせて」
私がそう言うと、分かった、と聞こえた。