LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~

綾知さんは、私にとても甘い。


一回り私が年下だからなのかもしれない。



今夜も、二人でベッドに入ると。



「綾知さん」


スマホを手に、甘えるように綾知さんに抱きつく。



「なに?」


クスクスと笑う感じ、なんとなく察していそう。


「この、HERMESの財布が欲しいなぁ」


それは、私の1ヶ月分の給料が吹っ飛ぶくらいの金額。


「けど、千花も働いてるから、自分で買えるんじゃない?」


「社長の綾知さんと違い、しもじもの私は、それ程貰ってないもん」


「じゃあ、キスしてくれたら、今度の日曜日買ってあげる」


そう言われ、喜んで綾知さんにキスをする。


綾知さんは、目を閉じそれを待っていて、
チュッ、と音がして、私達の唇が離れた。


「しょうがないなぁ」


そう、笑っている。


「でも、よくよく考えれば、私は結婚指輪は買って貰ったけど。
婚約指輪は貰ってないから。
その代わりだよ」


「そっか。
今さらだけど、指輪買ってもいいけど…」


「え、本当。
実は、もう何個か候補があって…」


そう言って、私はそのスクショを何点か見せる。


「分かった。
好きなの、買ってあげるから」


「でもね。
私思うんだけど。
婚約指輪の代わりや結納に、夫婦でペアウォッチを贈り合うってのも、何かで見て。
けど、私はそんな綾知さんが使うような高級な腕時計なんか、買えないから贈れないけど…。
でも、なんかそれって素敵だなって。
夫婦でお揃いの腕時計!」


そう言うと、クククッと笑っていて。


「分かった。指輪もそうだけど、千花が欲しいものは、全部買ってあげる」



「えっ、本当!

後ね、ジャケットも欲しいのがあるの」


「分かった分かった。
近いうちに、家族カードも作って渡すから」


「え?本当に!」



綾知さんは、本当にとても私に甘い。


(終わり)

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