LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
「うん。私もまさか自然に妊娠するとは思わなくて…。
断乳したばかりで生理もまだ再開してなかったし…。
妊娠してるから、生理が来ないみたいなんだけど」
現在、妊娠10週目。
最近、時々下腹部が痛み、それに加えなんとも言えない違和感があった。
今日の朝、何か病気かもしれないと、レディースクリニックに行き、それが判明した。
「そうか。妊娠か…。
まだ聞いたばかりで、ピンと来ない」
「うん。私もまだ実感ないんだけど…妊娠してる。
でも、妊娠してるの知ったら、つわりも出て来た」
「そっか。それでも、ダブルにキングって、必要?」
「それが…また双子みたいで」
本当に、まさかのまさかで。
双子と年子でまた双子って…。
育てられるかな?
そりゃあ、同居だから、家事は殆どお義母さんがしてくれるし、育児もお義母さんがけっこう助けてくれている。
今は仕事もしていないし。
だから、私は恵まれているのだけど。
「そうか。千花、ありがとう。
そんなに沢山、俺の子供を産んでくれるなんて」
満面の笑みでそう言われると、
同じように私も嬉しいけど。
この人は、分かっていない。
「綾知さん!お願い!
ベビーシッター雇っていい?
じゃないと、私もお義母さんも倒れてしまう」
平日の昼間。
この人が仕事で居ない時間。
私とお義母さんは、本当に双子達の相手で大変で。
「ベビーシッターって、千花は大袈裟だな。
母さんだって居るのに」
そう、呑気に笑っている。
「そりゃあ綾知さんは、写真撮ってアルバム作ったりしてるだけだけどね、私とお義母さんは本当に大変なの!」
「分かった分かった。
俺もなるべく早く帰るようにするから」
そんなレベルの問題じゃないのに。
「もう、いい」
そう、ため息を吐くと。
「千花、愛してる」
その一言で、子育て頑張れてしまうんだよな。
(終わり)