LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
「千花(ちか)彼、来たよ?」
その神山さんの言葉に、思わず顔がにやけてしまう。
今日は、週初めの月曜日。
週末の金曜日の夜から月曜日の朝迄、彼氏である篠宮晴(しのみやはる)と過ごすのが、
最近の私のルーティーンになっている。
付き合って3ヶ月の、7歳年上の彼。
晴君との出会いは、約半年前の4月、私がこの会社に入社してから。
でも、私は受付嬢で晴君は企画系の部署なので、仕事上全然接点はなかったのだけど。
「あ、あの、辻山千花(つじやまちか)さん。
俺と、付き合ってください!
俺達特に話した事ないですけど…。
俺の一目惚れで…。
お願いします!」
と、3ヶ月前、昼休み食堂へと向かおうとした時に、
この会社のエントランスで、私を待ち伏せしていた晴君に告白された。
晴君の事は、顔と名前くらいは知っていて、感じ良さそうな人だな、くらいの認識で。
特別、彼に興味があったとかではないのだけど。
なんだか、そうやって公然の場で告白されて、断れないような雰囲気に気圧されたのもあるのだけど。
晴君の、あまり異性を感じさせない可愛い雰囲気に惹かれて、
「―――私で良ければ…」
と、答えていた。
そうして始まった、晴君との交際。
実は、私はこうやって男性とお付き合いするのが初めてで。
色々戸惑いながらも、順調。
それは、晴君がとても優しいからかもしれない。