LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
「千花、ごめん。
ほら、急にあんな理由でフラれてムカッとはしたけど。
それは今もそうなんだけど。
ただ、そのせいで会社で、千花が悪く言われ出して。
どうにかしてあげたいんだけど」
「それは、晴君悪くないよ。
今回の事がきっかけになったのかもしれないけど。
私、元々あまり他の女性社員から好かれてなかっただけだから」
「それは、千花が可愛いからだろう?
俺の他にも千花の事いいって言ってた奴けっこう居たし。
だから、それを面白く思ってない女子社員も多かったとは思う。
で、極めつけは、あの眞山社長を射止めたって。
そりゃあ、周りの女子社員は面白くないって」
そう言われて、思うけど。
奥村さんだってみんなが騒ぐくらい可愛くて。
眞山社長と噂があるのに、誰も彼女を悪く言わない。
ふと、おろした視線に、自分の手が映る。
ネイルサロンでまめに手入れしているその爪は、今は青がベースでジェルネイルが塗られ、シルバーストーンがちりばめられている。
美容室も月に一度くらいのペースで行っている。
まつエクもそうで。
受付嬢だから、そういった手入れだけはちゃんとしていた。
会社の顔なのだと。
受付の前を通る人には、満面の笑顔で挨拶をしていた。
私のそういう全てが、男に媚びているように見えたのだろうか?
男なんかに、媚びようなんて思った事ないのに。
「今日も、千花のけっこう酷い噂聞いた。
高校の時、子供堕ろしたとか…」
言いにくそうに口にするのは、
晴君も、その噂が半信半疑なのだろう。
そして、その真相を今確かめたいのだろう。
「その噂、本当だと思ってくれていいよ」
当時から、真実が歪んで噂されていたけど。
火のない所に煙は立たないというように、
私は高校二年の時妊娠した。