LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~

「えっ?どういう事?
だって千花、俺が付き合うの初めてだって言ってなかった?」


そう、疑問を持つだろうとは思う。



「うん。
晴君が、付き合うのは初めてだった」


きっと、晴君は勘違いしているとは思っていた。


私が処女なのだと。


「じゃあ、千花が高校の時遊んでて。
それで誰の子供か分からない子供を妊娠したって…」


そんな風に、会社で言われているのか。


誰の子供かは分かっていたけど、
あの人とは、付き合ってはいなかった。



「俺、千花が初めてだと思ったから。
何もしなかったのに」


晴君と付き合っていた、3ヶ月間。


付き合い始めてすぐに、私は週末になるとこの部屋に泊まるようになった。


それは、土日は母親が家に居るからあまり家に居たくない、と私がポツリと溢した事がきっかけ。


そうしたら、晴君が、それなら週末はうちに来たら?と、言ってくれた。


そして、晴君のこの部屋に初めて泊まった時、
初めて晴君にキスをされそうになった。


それに、震えて怖がる私に、晴君は私から身を離して、
私がしたいと言う迄、絶対に何もしないから、と言ってくれた。



その後の晴君との付き合いは、
私がこの部屋に居る時は、夜は晴君はソファーで寝て、私にベッドを譲ってくれていた。


付き合い始めて1ヶ月くらいの時、
一度、私の方から別れない?と言った事がある。


こんな風に付き合う事が、晴君に申し訳なくて。


抱けない女と、付き合うなんて。


けど、そう思っても、私は晴君に抱かれたいとは思えず。


晴君に限らず、その行為に強い抵抗があって。


だから、本当にキスをされるだけでも怖くて。


「俺、千花の事が好きだから、こうやって一緒に居られるだけでいい」


そんな私に、晴君はそう笑ってくれて。


それに、私は甘えてしまった。

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