LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
そうやって、綾知さんと私の関係は険悪になったと思っていたけど。
「おはよう、千花」
朝、私より少し遅れてリビングへと来た綾知さんは、いつも通りで。
それに、戸惑ったけど。
この人にとって、私との結婚の目的は、私と他人との間に出来た子供なのだから。
私に嫌われていようと、どうでもいいのかもしれない。
むしろ、今の今迄、私に好かれているかどうかなんて、これっぽっちも考えた事もないだろう。
「綾知さん。おはよう」
なら、私も今まで通り普通にしよう。
この人と無駄に争いたくは、ない。
だって、この結婚から逃げられないのだから。
「今日は仕事だけど、夕方には帰って来るから。
今夜もそうだけど、明日は、部屋でゆっくりと映画でも観ようか?
俺、色々と契約してるから」
「うん…」
きっと、この人は私にもう触れて来ないだろう。
今まで通り、こうやって話し掛けられていても、
私を拒絶しているのが、その目で分かった。