LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~

「は?
そっちが思わせ振りな態度取った癖に。
ちょっと煽てたら、調子乗りやがって」


初めて、男の人が怖い、と思った。


私を睨む、谷原先生の顔。


殴られるんじゃないか、と怖くて、
座っていた椅子から立ち上がった。



すると、谷原先生も立ち上がって、
ベッドへと押し倒された。


悲鳴が出る瞬間、口を手で抑えられた。


「大きな声出すな。
お前の母親に聞こえるだろ?」


谷原先生には、私の部屋で勉強を見て貰っていた。


今、母親は夕飯の用意をしている。


母親はこの家庭教師の時間、仕事で帰って来てない事も多いし、
居ても、そうやって、家の事をしている。


今まで、家庭教師の時、一度も私の部屋の扉を、母親が開ける事はなかった。



「千花ちゃん、もしかして初めて?」


そう訊かれるけど、口を塞がれていて答えられないし。


それが何に対しての質問かさえも分からない程、私は子供だった。


自分が何をされるのか気付いたのは、キスをされた時だった。


そうやって、私はこの人にファーストキスを奪われた。


嫌で、悔しくて、怖くて、泣いていて。


あまりにもショックだったからか、
その時の事をよく覚えていない。



気付くと、上の服やスカートは履いたままだけど、パンツは下ろされていて。


谷原先生も、下半身だけ裸になり、
私の足を広げて、それを押し込んで来た。


自分の身を切り裂かれるような痛みを感じ。


泣き叫ぶけど、また口を手で覆われた。


それで、あまり息が出来なくて苦しくて。

体が、とても痛くて。


気を、失っていた。


気付いた時には、全てが終わっていた。


「こんな事、みんなしてるから。
大丈夫だから」


何故か、そう谷原先生に慰められて、
私はよく分からず、それに頷いていた。

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