LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
それから谷原先生は、家庭教師のその時間、いつも私の体を求めて来た。
来てすぐに、それを済ませてから、勉強をするのが決まりになって行った。
同じマンションのこの家に、母親が居る事もそうだし、
もしまだ帰って来てなくても、いつ帰って来るか分からないから。
いつも、さっ、と急いで済まされる。
そのちょっとの時間我慢すればいい、と自分に言い聞かせ、それにいつも耐えていた。
谷原先生にそんな事をされている事は、誰にも言えなかった。
友達もそうだけど、母親にも。
そんな事をされていると話す自分が、惨めで恥ずかしいから。
そうやって、ずっと誰にも言わず耐えていたけど、谷原先生と関係を持ってから、生理が来なくなった。
初めの一週間くらいは、多分、遅れてるだけだろう、くらいの気持ちだったけど。
二週間来なくて、本当に怖くなった。
そして、いつものように家庭教師にやって来た谷原先生に、それを話した。
「生理が来ないんです」
いつものように、私をベッドに寝かそうとする谷原先生にそう言った。
「え、でも。俺、付けてないけど、中で出してないよ?
そりゃあ、絶対じゃないけど。
でも、俺、今まで失敗した事ないし」
その日、谷原先生は怖くなったのか、私に何かをする事はなかった。
その翌日。
「谷原先生、家庭教師を辞められたみたいで。
次から、先生が変わるみたい」
仕事から帰って来た母親に、そう言われた。
今日、家庭教師を派遣している会社から、そう連絡があったらしい。
「そう」
谷原先生じゃなくなるのは嬉しいけど。
どうしよう…、と、自分の下腹部を手で押さえていた。
「でも、千花、谷原先生の事気に入っていたのに、残念ね?」
そう、母親に言われて。
気付いた。
この人は、私が谷原先生に好意を持っていたと思っている。
だから、母親は家庭教師の時間、私の部屋の扉を開かなかった。