ほんとに?
しっかり唇が触れること,無くなったのだって私が嫌になったからじゃないのとか,思っちゃうから。

不安が顔に出ているのか,やっぱり類くんは困ったように笑って



『ほんとだよ』



そういって,ふわっと抱き締めて,頭を撫でる。

私が言わせてるみたいだった。

類くんの本音は,どこにあるの?

哀しい,悲しい。

類くんを手放すつもりなんてさらさらないのに,最近ずっと胸が痛い。

ハグだって,前はもっとぎゅってしてくれたじゃん。

求めすぎなのかな……

ううん。

違う。

類くんが悪いんだ。

私,彼女なのに。

類くんが,かりそめみたいなキスしたりするから。

私には仕方なくして,他の女の子がいたり,私みたいな子が他にもいるのかなって。

類くんの気持ち,信じられなくなる。
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