窓の中のラブストーリー
第4章. 少女の想い
その少女は、生まれて暫くして心臓に欠陥が見つかり、車椅子と病室で暮らすことが多かったようでございます。

しかしながら、少女の命の炎の大きさを決めたのは、6歳の夏に、写真に映った小さな影でございました。


その頃通っていた病院で、たまたま車椅子が倒れ、頭を打ったことから撮ったレントゲン写真に、その悪魔は映しだされておりました。

そうして少女は、私の前でその愛らしい笑顔や、天使の様な寝顔を見せてくれるようになったのでございます。


この部屋での約半年間。

最初の頃の少女は、普段は至って元気で、悪戯をしては看護師さんたちを困らせておりました。

子供の少ないこの病院内では、少女はすぐに人気者となったのでございます。
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