窓の中のラブストーリー
それから数日後の夜のこと。

その夜も雪が降っておりました。


表の救急車の音に気を取られ、少女から目を離し、もとに戻った私を、今までで一番の驚きが待ち受けておりました。


あの少女が立ち上がり、私のことをじっと見つめているではありませんか。

その顔にはいつか何処かで見た様な笑顔がありました。


そして、私のほうに右手を伸ばし、指でわたしに触れて来たのでございます。

私は今までにない感動を感じました。


どれ程の時間が過ぎたことでしょう、我を忘れていた私が気がついた時には、少女はもうベッドの上でした。

窓の私でも、幻を見ることがあるのでしょうか。

今でも信じられない思いでございます。
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