敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「おまえ、声も顔も全然変わってないな」

私を見下ろしながら、大地先輩は苦笑いした。

月日の経過を感じさせない、自然な振る舞いだった。

「そんなことないですよ! さすがにおとなになりました」

それにしてもまさかの再会だ。

ひさしぶりに目にした大地先輩が思い出以上にかっこよくて、心臓がバクバクする。

「ねえ……、あっちで一緒に飲みましょうよ」

すると大地先輩の後ろから甘えるような声がした。

胸もとが大きく開いたワンピース姿の女性が、彼の袖を引っ張っている。

「知り合いに会ったから、また今度」

大地先輩は彼女の手をさりげなく払いのけ、私が座っていたソファの隣に腰を下ろした。

彼女は彼に気づかれないように私を睨みつけ、無言でその場を立ち去る。

「今の女性はどなたですか?」

戸惑いながら大地先輩に尋ねた。

「さあ? しつこくて困っていたから助かった」

どうやら逆ナンされていたようだ。

さすが大地先輩、高校時代と変わらずモテモテだ。

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