敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「じゃあ日本でな」

「はい。いってらっしゃいませ。帰りも大地さんの操縦を信じています」

もう私は飛行機が怖くない。

笑顔で別れたあとは、出発時間まで少しだけアラモアナのショッピングセンターで買い物を楽しんだ。私の目的はパイナップルの形をしたクッキーで、前に友人からおみやげでもらってから、ハワイに行く機会があれば買いまくりたいと思っていたのだ。

その結果、ほぼクッキーしか買わずにホノルル空港に向かう。ある意味とても贅沢だった。

復路は澄み渡る青空の中を飛んだ。

時差ボケと寝不足、彼がコックピットにいる安心感が相まって、安定飛行中に三、四時間くらいぐっすり眠れた。

大きな揺れもなく、日本時間の夕方、無事に成田空港に着陸する。

大地さん、七野機長を始め、乗務員のみなさん、ありがとう。

心の中で深くお礼を言った。

幸せいっぱいで、幸せしかなかったハワイへの一泊三日の旅だった。




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